対人折衝、顧客応対の企業教育の現場でよく伺うことに 顧客からのクレームは宝の山という言葉である。
クレームの背景には 普段気づかない自社のウイークポイントが隠されている。そのことに 関心を向けると 新たな商品開発のヒントになったり 組織体制の改革につながったりすることもある。そして 従来の延長線発想でマンネリに陥りやすい 顧客担当の現場のイノベーションにつながるのでは ないかという希望的視点がそこにある。
この考え方は 常勝思考とでも呼べる思考法で 全てを 自社や社員の発展の材料 教材としようとする 積極的な姿勢である。
担当する一社員にとどまらず 会社や組織にこの常勝思考の組織文化が 根付いているところは 大変 しなやかで強い組織として 繁栄出来る素地がある。
ただ、実際の顧客の苦情対応現場では ケースによっては 怒鳴られたり 無理筋の要求を突きつけられたり 自分には直接責任がないのに きつく言われたりで クレーム担当者の心のストレスになる事も多い。
特に最近は 一部に〝モンスター顧客〝とも呼ぶべき ツワモノ客も存在している話を 耳にする。
マネジメントとしては 顧客の主張や不満をよく受け止めると同時に 対応する社員のストレスを最小限にし 願わくば 「禍を転じて福となす」方向に持ち込みたい。
そのためには 日常の小さな不平不満に気づき素早く対処する感性を磨かせると同時にその情報を収集共有化する組織的取り組みが有効である。
研修の場でも 直近の対応事例の振り返りの際 この些細な不平不満情報と大ごとになっってしまったクレーム事例を分析して その本来の対応のあり方を考えてもらう。
そして 組織やチームとして 対応すべき具体的アクションを「行動語」にしてまとめてもらう。「行動語」とは 聞けば何をすればよいか わかる言葉のこと。「5分前集合」とか 「〜です 〜ます 〜ございます の丁寧語の言葉遣いで」などのこと。
顧客対応する社員メンバーは 組織やチームメンバーに守られているという安心感が支えてとなって 厳しい顧客にも 良質な対処が出来るようになる。