役割とは、役目を割り当てること。また、割り当てられた役目のこと。
あなたが、あるチームにいるとする。リーダーがおり、メンバーがいる。サブリーダーがいる場合もある。リーダーの役割は、チームをまとめ、所与の目標を達成することであろう。そのために、方針や、戦略を練ってメンバー達と意思統合を行う。時に、メンバー支援や指導をすることも必要だ。メンバーは、リーダーの考えを咀嚼、理解し自分に課せられた成果をあげようと努力する。サブリーダーの役割は、リーダーを補佐し、時にメンバー支援を行いそして自分自身に期待されている成果を達成しようと努力する。
ここで大切なことは、その期待される役割を作業的に行うのではなく、機能的に行なっているかどうかの見極めである。期待されている成果をあげるために、目的的に行動ができているか、否かである。
例えば、研修やコンサルの場面で戦略計画を作ってもらうことがよくある。「いつまでに」「何を」「どのレベルまで」「どんな方法で」達成するのかの計画を作ってもらうのである。気をつける必要があることは、この計画が、往々にして作業計画になってしまうことである。計画遂行の人的パワーのこと、担当能力のこと、時間的余裕のこと、資金手当の交渉力量のことなど、本当にその計画を達成しようと思えば、現実をリアルに考えてその戦略的目標に到達できるかどうかの判断が必要である。届かないとなれば、目標にリーチ出来る方策を補わないといけない。
この辺りの戦略目標達成のリアル感ある計画を策定できるようになるには、かなりの訓練が必要になる。経験の乏しい領域開拓などのテーマでは、特に実践的な訓練が必要になる。
作業的役割遂行では、目的喪失的であり作業没入的な仕事の進め方になりやすい。言われたから行動する類いのパターンに陥りやすい。しかも、よく考えられていないので、昔のやり方や方法論を条件反射のように持ち出しがちである。その結果、満足な目的は果たせないことが多くなる。俗に言う「作業はすれど、仕事せず」ということである。
機能的に仕事を進めるには、目標やゴールを見て、このアクションで達成できるか、「打ち手」と「結果」、そして「達成のヨミ」をじっと考えることが大切である。コンサルの現場指導の場面では、このあたりが大変曖昧であり、考え抜かれているとは思えないケースによく遭遇する。あなたが、これから実践しようと思っているアクションの目的は何か、達成のヨミはどうか機能的に動けているかを再度自問してみることが大切である。